夏のお茶会

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 次々やってくるお客様から注文を取り、お茶とそれに合わせたお茶菓子を運びます。大きなテーブルは、今や食器類で埋め尽くされる勢いです。  しばらく走り回ってやっと一息つけるようになってから、私は会場を見渡しました。配り忘れはないか、トラブルなど起きていないか、さり気なく確認します。 「とっトメさんっ!? お前さん死んじまったのかい!?」 「あらあら、誰かと思ったら大塚さんのところのおじいちゃん。久しぶりねぇ。お元気?」 「トメさんこそ……! ああ、ワシは、ワシは……生きてた頃からトメさんのことが……!」  同窓会のノリのご老人がいます。 「お前さん、何でゴーヤなんか持っとるんだ?」 「妻が……毎日仏壇に供えるので……」 「そうか……。死んだ旦那の好物を毎日供えるなんて、愛されとるじゃないか」 「違うんです。僕、ゴーヤが大ッッ嫌いだったんです。見ただけで吐き気がするくらい。妻はそうと知ってて、毎日毎日……ッ!」  ゴーヤ片手によよよと泣き崩れる中年男性がいます。 「……おや」  私はあるお客様に目を留めました。  年の頃は十二、三くらいの、活発そうな女の子でした。
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