8人が本棚に入れています
本棚に追加
「優太くんがまた変な本読んでるー!!」
後ろで里子ちゃんの大声がした。
振り向くと、ぼくが手にした本を指差している。
「難しい本読んでるのねー」
先生もくすくすと笑いながら言う。
ぼくは佐伯優太。鳥ノ森幼稚園の年中さんだ。この間の誕生日で五才になったばっかりだけど、「子供らしくない子供だ」とよく言われる。
自分でもちょっとそう思う。本ばっかり読んでるからだ。他の子はあんまり読まないけど、漢字が多いやつもページが多いやつも、面白い話なら何回でも読める。
「これはそんなに難しくないよ」
だからっていじめられてはいないし、みんなでやるおゆうぎやドッジボールも好きだから別にいいけど。
最初のコメントを投稿しよう!