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「ここはいろんなのが、居るわね…」
人間関係にでも悩みがあるのかな……そう思った。
「???そうですね」
絵美さんは製品をじっと見ながら手探りでパーツを掻き集め、指定の位置へぽいぽいと置いていく。
狭い作業台で、私も絵美さんの隣で同じ作業にかかる。
「………あっ、すみません!」
袖が絵美さんに引っかかり、少しずれる。
「あら、いいのよ?」
絵美さんも反対にずれる。
「???」
肘に違和感がある。
確かに絵美さんから離れたはずなのに、だ。
「あら、セイユちゃん掴まれてるわよ?」
「えぇっ!?」
実はこのところ、この作業台に立つと袖が引っかかるとは思っていたのだ。
「怖いですよ!やめてくださいよ!」
「あら、あら。ごめんねぇ」
絵美さんはその日の功績が上司の目にとまり、度々ヘルプに入ることになった。
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