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「ええ!実際、そういうギルドがあるんだから腹が立つわ」
「え?あるんですか?」
「普通の人は知らないでしょうけどね。高級料理店はそうやって食材を独占してるし、ギルド非所属の料理人が街に店を開くことさえ禁止してるわ。私の父さんが店をやめたのはそういう理由もあるのよ。そりゃあ私だって自分が採ってる食材の場所はなるべく秘密にするわ。でも、ほかの料理人の邪魔をするなんて言語道断よ」
「そ、そうですね……」
彼にはよくわからなかったが同意しないとまずい気がした。
「ギルドを作って食材や技術を共有すれば料理人の質の向上とお客さんの利益にもなるといってるけど、これもおかしいわ。料理人なら技術も食材の目利きも自力で習得するべきでしょう?私だって父さんが師匠だったけど、肝心なところは自分で考えなさいって言われたんだから。仲良しこよしで皆同じ料理を出そうなんて情けないことよ」
「ソフィさんはそういう考えが嫌いそうですね」
「大嫌いよ。あっ、そういえば私の依頼だけど準備は済んでる?」
「はい。食材調達の補助ですよね。必要な道具はギルドが用意してくれました」
レイアスは虫除けの薬や森の魔物対策の道具、食材保存用の容器を見せた。
「OK。主な目的は蜂蜜取りだからよろしく」
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