私たちがもっと大人だったなら、

予感

世界の終わりがきた。

そんな夢を見たのは一週間前のこと。

空がオレンジに染まった夕暮れに、どん、という地鳴りがしたところで目が覚めた。

その夢を見た日はひどく汗をかいていて、起きた瞬間に彼にもう二度と会えないという苦痛から胸の痛みを覚えたのだった。

次の日はきちんと学校で、いつもどおりの彼の不愛想な笑顔を見ることができたが、あの胸の痛み、特に言い表せない苦しさと怖さはきっと一生忘れられないだろうと思う。

「どうしたんだよ、ここ最近なんだか変だぞ。」

私の顔を覗き込んで心配そうに見つめる彼に、なんでもないと、私は笑みを浮かべて見せる。

なんだか悪い予感がする。

そろりそろりと忍び寄ってくるような、嫌な感じが１週間続いていた。