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「なぁ」
気怠い声が後ろから響く。
木造建築の古い校舎。
エアコンは設置されてなくて、涼しい風を送る唯一の代物は扇風機だけだ。そいつは首を振るたびに俺の髪を優しく撫でるが、この暑さには少し弱すぎた。
俺はちっとも引かない汗の粒を首につけながら、声の方向にムクッと頭を起こした。
「明日ヒマ?」
俺の返事を待たずに後ろの声が聞いてくる。
なんとなく見当はついていた。だが、もしそうだったとしたら俺にメリットがあるようには思えなかった。
─── どうする?
俺は俺自身に問いかける。
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