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村人にはそれはわかりません。わかりませんが、たった一人の女の子が歳を重ねることなく、幼い内に死んでしまったこと。その事実に手を合わせてやらねばという人情が働いたのです。
村人は月に一度この慰霊塔を訪れ、手を合わせます。どうか安らかに眠ってくれるように願いながら。
それ以来慰霊塔へのお参りはすっかり村人の習慣になりました。
そして『菊ちゃん』が村人の前に姿を現さなくなったのも、ちょうどその頃からでした。
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