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私は目を瞑る。両手を斜め下に伸ばし、空気を受け取るように身構える。
「森に生きるものたちへ。エルフとの縁が久遠へと紡がれることを願う。あらゆる生命の運命があり、汝の運命が悲しみとあらば、我らがその悲しみを弔うと約束しよう」
たおやかに流れる風が私の頬を撫で、指の隙間を通り抜けていく。私は目を開ける。
「サ・クウェンテ」
私の両手、両足が黄緑色の光に包まれる。肌の中に光が入り、消えてった。
私は窓の縁に手をかける。いつもと違う感覚がある。小さなおうとつにひっかけてつけるマジックテープみたいに貼りつく。
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