エルフの呪い

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 牢屋に入っていたエルフが1人足りないことに気づく。逃げたエルフが城内に身を潜めているという異常な事態が考えられた。城内にいた兵士全員で捜索が行われるが、次々と兵士が襲われてしまう。  1人のエルフでも厄介なのは間違いなかった。魔法が使えれば銃も剣も通用しないなんてこともある。だが、城内にいた兵の数は3000人。たとえ魔法が使えたとしても、1人のエルフでどうにかできる人数でもないのは、エルフ族でも簡単にわかる。  それでも城内で人を襲い続けるエルフ。城内は混乱を極めた夜となった。  その後、夜が明けると逃げたエルフの陰すら見えなくなってしまったそうだ。捕まっていたエルフはもう逃げたと思われ、城内は死傷者の対処へ移った。  エルフに襲われて生き残った者から証言を聞いたところ、そのエルフは1人になった兵士の隙をついて襲いかかってきたらしい。襲われた兵士は強い力で床に押しつけられ、首に噛みつかれた。首から離れたエルフの口からライオンの牙のようなものが見えたという。  襲われた全ての兵士の首には必ず2つの小さい穴が残っており、相当深いものだったとのことだ。死亡した兵士は体の3分の1の血を抜かれていた。
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