森の囁き

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 私のお母さんは厳しい。鬼がつくほどに。  勉強しろとやかましく言われ、テストで赤点を取った日には、問答無用の外出禁止令が1週間続き、テストで出た範囲までお母さんが買ってきた問題集をやりきらなければならない。  門限は当たり前。夜は危ないからっていうのもあるけど、単純に心配なだけだ。  お母さんの心配は直接言葉を交わさなくてもちゃんと伝わっている。  厳しいけど、自分のことを大切に思ってくれている。そんな不器用で厳しくて優しいお母さんが大好きだ。でも、むちゃくちゃ恐い……。  お母さんが鬼になるとめんどくさいことになる。  どこに行ってたの! 携帯に連絡してっていつも言ってるでしょ!  門限をすぎて帰宅した途端、きっとこんな感じで怒られる。連絡したら、活気に満ちた大きな建物の街に住むエルフ族の友達と、カフェでデザート食べまくってバカ騒ぎしてたと言わなくちゃいけない。  それをお母さんが聞いたらもれなく尋問がついてくる。  いくら使ったとか、こんな時間まで遊んで勉強は大丈夫なのかって。  過保護っていうか、親バカっていうか。たまにウザったいって思ってしまう。  1秒でもすぎたら鬼モードだからなぁ。
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