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今日は特別な日曜日。
予約していたものを受け取るために、駅前の小さなケーキ屋さんに向かった。
五号サイズの、イチゴたっぷりのホールケーキだ。その場で、頼んでいた文字入れのプレートを確認する。
――happy birthday のぞむ――
チョコレートで書かれた可愛らしい文字に、つい笑みが浮かんだ。
ケーキを受け取ると、妙にウキウキした気分で帰路についた。
家には仁が待機していて、着々と準備を進めていた。
ダイニングの天井には、きらびやかなモールが飾られていて、テーブルの上には、それぞれの席にパーティー用の三角帽子が置かれている。
「あ……」
ぐっと胸が詰まった。
現在は使われることのなくなった席にも、ちゃんとそれが置いて準備してあったから。
「パーティーは全員参加がウチの規則だからな」
わたしの視線に気付いた仁が、悪戯っぽく笑った。
「うん」
またうっかり涙が出そうになるのを堪えて、コンロの前に立つ仁の手元を覗き込んだ。
「あ、唐揚げ?」
「そ。のん、好きだろ?」
「そうだね。他は?」
「寿司とった。父さんのご命令」
「まあ、贅沢」
仁と顔を合わせて笑って、わたしは一度自分の部屋に戻った。
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