朱に染まるとき

3/11
前へ
/11ページ
次へ
 しかし、肉弾戦を好む輩はいつの時代でも存在する。純粋な力による打開を図ろうとする一派だ。  時の司令部からは邪魔者扱いされ、時として反逆の徒と言われることすらあった。一般人はこの大戦の事実は知っていても、直接は手を下すわけでも参加するわけでもないため、この一派は異様に映る。 「何故このような冷たい目で見られなければならないんだ」  電気を消し、蝋燭の灯の下に集まり会合を開いていた。自意識過剰と言われてはそれまでだが、彼らの矜持がこうせざるを得ない。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加