朱に染まるとき

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「次に集まるのは、都心にある○○ビルにしよう」  司令は唐突に次回の会合場所を指定した。  いつもは郊外の寂れた一軒家に集うのに、シックで立派はビルとはどうしたのかとメンバーは首を傾げる。目立たないようにすることこそ至高と考えているからだ。  もしかしたら、もう終わりにしたいのかもしれないし、それでもいいのかもしれない。そろそろ現実を直視すべきだと司令は言いたいのだろう──  誰も反対しなかった。
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