0人が本棚に入れています
本棚に追加
そしてその日が訪れる。
いつもと違った豪華なレストラン。明るい陽射しを受けながら食事を始める。傍から見たらただのお食事会だ。
個室で乾杯をしてから、運び込まれたものを口に運ぶ一同。
「それにしても司令──いや、織田さん」
「なんだ?」
「就職どうしましょうかね」
「そんなことか。今はそういった辛気臭い話は抜きにして飯を堪能したらいい」
その言葉を待っていたかのように、楽しげに明るく振る舞う。酒が入りすぎて陽気になっている者もいた。
話の内容も、今までの活動を振り返っては笑い話にしていた。司令と呼んでいた男のことも、織田さんに変わっている。皆、一般人となることに安堵していたのだ。無論、元から一般人であり自ら志願してこの組織に加わった筈なのだが──
最初のコメントを投稿しよう!