朱に染まるとき

9/11
前へ
/11ページ
次へ
 織田は視線を泳がさなかった。そして腕時計をちらっと確認すると、徐に個室から出ていく。  その様子に誰しも驚きを隠せなかった。  次の瞬間──悲鳴と怒号が飛び交う。  彼は刀を抜いたのだ。その相手というのは──敵国の首相。  知っていたのだ、敵国との密談が今日この時間、このビルで行われることを。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加