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「あと少し、あと少し」
あと少しの距離だ。
あと少し我慢すれば至福の瞬間が訪れる。
今はこの苦痛に耐えればいいだけだ。
5分が数時間にも感じられた。
ゆっくり歩くのも駄目。
急ぎ駆けることも駄目。
調度その間、まるで天秤に計りにかけ均衡を保つくらいじゃないと駄目だ。
それもあと少しの距離でそれが達成できる。
もうイメージはできている。
目の前にあるのは扉をあけ
手をズボンにかけると同時にその一体に圧倒的な光が差し込んだ。
そして、本来あるはずの椅子から抜け落ち、腰部辺りから倒れこんだ。
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