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「あー、見つけた!」
草原の山の上から呼ぶ声がする。
この草原に似つかわしくない、赤色のヨーロッパ風の重装甲だ。
顔はバケツ型フルフェイスで隠されており手には剣を持っている。
「もしかして、キミは転生人だよね?」
「――て、転生人?」
「あぁ、転生人だ。転生人は違う世界からこちらの世界に何かのきっかけで迷い混んだ人のことさ。それは死んだとか、神隠し的な物とか様々あるみたいなんだけど、因みに間違いなかったようだね。話せるモンスターもたまにいるが、劣化モンスターのタヌキが話せるなんて転生人しかいない。」
「劣化モンスター?」
「劣化モンスターを知らないの? 劣化モンスターとは、最底辺にいる最も害が少ないモンスターのことさ。で、これから街に行くのだが、キミは着いてくるかい?」
会話を早く済ませるように尋ねてくる。
このまますんなり着いていくのは世間一般の子持ちの親御様には怒られそうだが、自分は立派な大人だし、ってかタヌキですけど……
この意味のわからない状況から、脱却できるかと思い素直に受け入れることにした。
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