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「あ、いえすみません。私は雪宮氷織と言います」
「それでですね……鳴海さん」
「はい」
「鳴海さんは豪華な暮らしに憧れとかありませんかっ!!」
「……は、い?」
俺は目が点になった。
確かに豪華な暮らしをしてみたいかと聞かれたらしてみたいが、今日初めてあった小学生くらいの女の子にそんなことを言われるなんて思ってもみなかったからだ。
そんな俺をみて、雪宮さんは慌てて言葉を付け加える。
「す、すみません突然変なことを言ってしまって」
「いや、特に気にしてないけど……」
「それなら良かったのですが……」
「でも本当に突然どうして?」
「それは……ですね。詳しくは言えないのですが、鳴海さんさえ良かったらうちで一緒に暮らしてもらえないかな?なんて……」
「一緒に?」
「あ、いえ! でもご家族の方に迷惑ですよね! すみません今のは忘れて……」
「家族ならいないから大丈夫だよ」
「えっ?」
その言葉に少女はその場で固まる。
「俺の家族はもうみんな死んじゃったからさ、家族の方は心配いらないよ」
「……それは大変失礼しました。知らなかったとはいえ……」
「ああいいのいいの。知らなかったんだし、それに俺も余計なこと言っちゃったよねごめん」
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