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「えぇと……それでその、重ね重ね失礼なことを聞くようですが、家は……」
「実家と呼べるものはない……かな。だから今は漫画喫茶とかあるからそこで……かな」
「…………」
まぁ言葉を失うのも無理はないか。
家がない人なんて実際に見かけたらこうなるのはわかっている。
そう思っていた。
「でしたら」
「?」
「でしたら、私の家……つまりこの家に住みませんか?」
「ここに住むって……」
「大丈夫です。少なくとも私はあなたの事を変な目で見たりはしません……なので、どうかお願いします」
「……わかった」
俺は彼女の透き通った綺麗な目を見た瞬間、自然と首を縦に振っていた。
どうして彼女はこんなにも必死なのかとか実は何か企みがあるのではとかそういった考えは一切浮かばなかった。
ただひとつ言えるのは……この少女は絶対に信じられる、そう思ったことだけ。
こうして俺は今日出会ったばかりの少女と同居生活を送ることとなったのだ。
出会ったばかりの少女と同居……テンプレレベルB
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