0人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうだ。例えば学び舎への移動中に曲がり角で主と女子がごっつんこ……とかそういったものだ」
言い方は古いのに展開はやけに最近のものだな?という、ツッコミは抑えつつ話を聞き続ける。
「つまり俺には今その力があるってこと?」
「そうだ。と言ってもこれは常に発動しているものだからあまり実感はないだろうが……現にほれ、そこにいる女子は主のテンプレの能力によって呼び寄せられたのじゃ」
「へぇー」
どうせなら小学生じゃなくて大学生くらいのお姉さんがよかったなと言う願望は抑えつつ、
「それなら例えばだけど、テンプレに力によってこの子と俺が付き合うってこともあり得るのか?」
「あり得る……と言うよりも今がそのターニングポイントじゃ。ここの選択次第で主の人生が決まる。だからそのことを伝えにきたというわけじゃ」
「なるほどな……」
「まぁどの道を選ぶのかは主の自由だが、決して後悔のしないようにな、わらわのように」
「? それって一体──」
俺がそう言い切る前に再び視界は光に包まれ、まぶたを開くとしっかりと時は刻まれていた。
きょとんとしていると、少女はこちらを覗き込むように上目遣いで、
「あの……本当に大丈夫でしょうか? まだ体調がわるいのでしたら……」
「──ッ!?」
最初のコメントを投稿しよう!