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「ちなみに、この世界の戦いはな、主に魔法で行うのじゃ。攻撃も守りもな。攻撃に関しては自身で道具を作ったりもするのだが……
守りはほぼ魔法でな。多生なりとも強くならんとこの世界では生き残れん。」
『何で早々に死亡フラグなんだっ?!
まてまて、俺が力が強いからこの世界に読んだんじゃねーのかよ!』
無茶苦茶な話に頭はパニック。
「いゃー、中々単純に連れてこられそうな奴が見つからんでの。
途方にくれてあそこに居たらお前が引っ掛かったのじゃ。」
ばつが悪そうに紫色舞が目をそらした。
『何だそれ!?俺ただの間抜けなやつ?!』
もぅ、自分の行動の安直さにめまいがする………
「ぁあ、だがな、殊も修行を積めば少しずつ熟練土が上がっていくゆえ、そんなに落ち込むでない」
フォローするように言ってくれてるけど……それって単純に……
『レベル上げってことっすか?』
「レベルアゲ?」
『魔物倒すと増えるー、みたいな?』
「おぉ!よく分かったな!お主は感がいいなぁ!」
ガッデーム!!
つまり俺は、レベル1ってことで、
レベルを上げながら魔王を目指す訳だ。
何かのRPGと酷似しすぎて泣けてきた。
てか、攻略するまでどれくらいかかるんだろ。
『そういえば、魔王ってどこにいるんだよ?』
「んー、噂によればじゃが、船や飛ぶものでしか行けない、極寒の北の大地に君臨すると聞くが……」
『北の大地?…ここは、桃源京だっけ?』
仮定であるが、ここのマップがもし日本であるとして、仮に現在の場所が京都ってことにしよう。
…和服だし、響きが京都っぽいから。
そんな世界の北の大地ってことは……魔王のいる場所は北海道?
京都から北海道?
ぇぇー、距離ありすぎー、せめて東京スタートが良かったわー。
仮定であるのにも関わらず何だか絶望を感じた。
『(でも、まっ…)……どうせ帰れないなら、楽しむしかない……!ってか……?』
ここに来てようやく自分の置かれた状況を少しだけポジティブに考えた。
(魔王攻略すれば女の子と結婚してウハウハってか………)
想像したら、少しだけ、顔がニヤケた。
「突然なんじゃ、気色悪い」
紫色舞が唇に手を当てながら顔をしかめた。
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