始まりの追いかけっこ。

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林道の少し奥にある鳥居を横目に帰路を急ぐのがいつもの日常。 しかし、今日、その日常が少しだけ違っていた。  『んーーー?』 普段は林道と鳥居だけがあるその場所に、女の子らしき人影が立っていた。 距離にして数メートル。 肉眼でハッキリ確認できる。 和服を纏った少女ーーー。 巫女さんか?まー、神社だしな? いるよな? とか思いながらも視線はその巫女さんに釘付け。 よーく見ると目鼻立ちも整っていてーーー 『……ん?』 顔を更によく見ようとした矢先、少しだけ女の子が不自然な事に気づく。 あれ?耳? そう、頭から、普通の人間には無いものが生えている。 コスプレ………?? いやいや、巫女さんなら神社でそんな罰当たりな事をするか? うーん、ダメだ、考え始めたら気になって仕方なくなってきた。 少しだけ、近づいてみようかな、と林道に足を向けた。 すると、女の子は身を翻して鳥居の奥へと消えていく。 『ぁ、ちょっ!まっーー!!』 気がつけば、『少しだけ』のはずが誘導されるように鳥居の奥へと進んでいたーーー。
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