勇者の契約

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勇者の契約

『なっ!ちょ、きーーー』 慌てふためく俺。 そりゃそうだろ、だって、初対面の女の子にキスされたんだから。 「なんじゃ、騒々しい。」 『いや、だって!キス!!!俺のファーストキス!!』 「おや、キスとはなんぞえ?」 だめだ、日本語が通じないのか? いや、違う……!会話は出来てるから、単語が通じてないのか? 『く、唇に、今ーー!!』 「ぁぁ、接吻か?契約じゃからの。」 しれっと、いい放つ女の子。 もとい、紫色舞。 『け、契約ってなんだよーー?!』 ここに来て初めて、 一番気になっていた単語を口にした。 「契約じゃ。お主が此の世界の勇者になるためのな。」 『ゅ、勇者……?!』 思っても見ない単語に驚く。 勇者ってあれか? あの、某ゲームの主人公の職業か!? 『なんで…俺?!魔物とか倒さなきゃいけないの?!』 「なんじゃ、知っておるではないか。」 マジか!!本当にそのフラグなのか?! てことは、なに、俺。 異世界召喚フラグなの? 『ぁの、ここは、どこ?』 「だから桃源京だと言っておろう。今じゃ魔物がひしめく都じゃがのー」 やっぱり!異世界召喚?! あの、アニメとかのやつ?本当に俺が?! 『いや、あの、元の世界に帰りたいんですけど…』 「無理じゃ、契りは結ばれ、お主は勇者となった。 ちなみにわらわは旅を共にする付き人兼、婚約者じゃ。」 ですよねー……… って、ぇぇえええ?! 『こ、婚約者ーーー?!』 「仮、だがな。」 『な、なぜ?』 「勇者と旅を共にする選ばれた女子が勇者と仮の婚約を結べるのじゃ」 『なにその無茶な設定!?』 「わらわの他にあと3人程おるが故、旅を続けて魔王を退いた暁に勇者と幸せに暮らせるのじゃ」 『ぁぁぁ!エンディングの醍醐味先に喋っちゃった!なんとなく想像は出来たけど。』 「ちなみに、一夫多妻制ゆえ、全員と婚姻することも出来ようぞ。」 『そこは昔の日本なの?!てか、イキナリ、ハーレムフラグが来たんだけど!』 もう、どこを突っ込めばいいのか………!!
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