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「まー、とりあえず、魔王を倒すことに集中すれば良いのじゃ。」
ふふっと、優雅に目の前の黒髪猫耳女が笑う。
よくよく見ると、とても綺麗で…
息も忘れて見とれてしまう。
腰まである長い黒髪をだらりと2つに結び、頭のてっぺんには黒い耳。
真ん丸と大きい目。瞳の色は名前に相応しい淡い紫。
同じく紫と黒を貴重にした着物から覗く白い肌。
とても、綺麗だった。
「なんじゃ、今更ながら見とれたか?」
『ぁ、いや……!!』
じとりと綺麗な瞳に見つめられ、かなり動揺。
何やってんだ、俺はっ!!
『って、てかさ、勇者なのは分かったんだけど、俺、学校の制服のままなんだよね。…勇者っぽい装備とかないの?鎧とか、盾とか。』
「ガッコウノセイフク?とな?…ぁぁ、お主が今身に纏っているそれか?」
聞きなれないと言うように首を傾げながらも、紫色舞が俺の着ている服を指差した。
『そう、これ。違う勇者用の服とかないのかな?』
「ふむ…この際格好はあまり重要ではないのだがな?」
紫色舞は浅いため息を付きながら、
何かを唱えた。
「汝、総司に新しい身着を授けよーーー。」
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