踊る苦学生

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「う~ん、う~ん・・・・」 スラム街のクーラーも無いあばら家で深夜、 頭を抱えて勉強する男、 インドでは当たり前の口髭を生やし、 老けて見えるが、 まだ20歳の青年ラジーニ・ヴェーダである。 インドの因習カースト制から抜け出るのに、 南インドのカルナータカ州南西部マイソール高原上、 バンガロール市のIT経済発展に乗る為だ。 とは言えラジーニはあまり賢くなく、 インド人にしては計算も得意でないし、 そもそもパソコン持ってないので、 絶賛苦学中だ。 図書館で借りた本も古いので、 あまり参考にならない。 「ええーい!もうわからーん!」 勉強の捗らなさと、 インド元来の暑さが相まって、 ラジーニは爆発する様に踊り始めた。 「コンピュータ新しいから~カーストはない~♪ こ~んなクーラーない生活か~ら~抜け出すチャ!ン!ス! でも全然分か!らん~♪」 上手くはない、 決して上手くはない踊りと歌だが、 ラジーニの心のこもったオリジナル楽曲。
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