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翌日バンガロールの、
オフィスビル街UBシティのカレー店バーバリー。
昼休みに食べに来たIT技術者達に、
ラジーニは憧れと嫉妬を交えながら、
今日もナンだけ運んでいた。
「おいどけよラジーニ。
ナンはカレーの引き立て役だろ?」
彼の名は同僚のマシャマティ、
同日同じ面接でバーバリーに入った同い年の同期。
彼も不可賎民でカレーしか運べない身分だが、
事ある毎にラジーニを見下しマウント取ろうとする、
いけ好かない青年だ。
「何を!俺の母さんはチャパティしか運べない身分だったのが、
ナンを運べる父さんと結婚で昇格したんだ!」
「じゃあお前の妹くれよ。
目付きと性格と口調キツいのに可愛いじゃん。
カレー運べる身分にしてやるぜ」
「何だと!お前みたいな義弟嫌だ!」
「コラ!さっさと運べ!」
料理を作るだけの身分の店主に怒られ、
ラジーニとマシャマティは、
次々とナンとカレーを運んでいく。
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