第1章

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「えええええええええええええええええーーーーーーーー!!!???」  と言う、意味のある言葉にもならない動揺しか湧きあがらない。  ポケットのスマホを取り出し見ると、五分前の新着メッセージがホーム画面に表示されている。  どうやら、再就職は成功したようだが、時間は十二時丁度を指し電波は圏外とある。  その直後、圏外の表示の横で赤いバッテリーマークが点滅すると、画面が無慈悲にもブラックアウトしてしまう。  これは充電のし忘れであり、停電は関係ない。  ヤバい。  メッセージにとりあえず返信したいのだが、スマホは反応しない。  とりあえず落ち着こうと、タバコを口に咥え、ライターで火をつけようとする。  だが、最近補充を怠っていたせいか、ちょうどオイル切れを起こし、火がつかない。 「そんなぁ~」  これにはスマホのバッテリー切れよりも大きなショックを受け、その場で打ちひしがれる。  やけくそにビールを飲もうと手に持った缶を見ると、猫缶である事に気付き、更に落ちこむ。  あまりの暑さにビール程度の低アルコール飲料を数口飲んだぐらいで、あり得ないバッドトリップでもしたのか、全てが夢なのか。     
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