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翌月、私はまたしても彼を自ら誘った。18時に横浜駅に待ち合わせの予定だった。私は10分前行動を徹底する性分もあり随分早く駅に着いてしまった。好きな人を待っている時間もそれなりに緊張感があっていい。私はベンチに腰掛け、文庫本を読みながら彼を待った。読書に集中している私みつけて、ぽんと肩を叩き「ずいぶん早いね」と笑顔をみせる彼とのやり取りを想像し、私の鼓動はどんどん早くなった。さて、そろそろだろうと腕時計に目をやったが時刻は18時15分。彼はまだ来ない。流石に何時くらいになりそう?とメールを入れてみた。彼の返事は「ごめん、あと1時間くらいかかる」というものだった。私は少々傷ついたが「ゆっくりでいいよ」と返した。
彼が到着したのは結局2時間も後で、時刻は20時をまわっていた。途中、突然のどしゃぶりに襲われ、本当は泣きそうだったが、彼が来てくれたという事実に私は喜び、そしてホテルへ直行した。本当は夕食をどこかで一緒に食べる予定だったが、彼は友人ともう済ませてしまったらしい。仕方がないので私はコンビニでメロンパンと缶ビールを買った。彼も飲みたいというので、彼の分の缶ビールも一緒に会計を済ませた。
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