イモムシの恋

1/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

イモムシの恋

 ある日、一匹のイモムシが恋をしました。  その相手は一人の人間。  イモムシは、何度も何度もアタックしようと、女の子の前に姿を表しましたが…  女の子は、イモムシの姿を見る度に、悲鳴をあげて逃げて行きました。  イモムシは、思いました。 「どうして逃げるの??  僕、君には何もしていないよ?」  だけど、その言葉通じず……  その思いも通じず……  イモムシは、どうすればこの思いが通じるかなやみました。  ある時は、寝ている時に、そっと近付き。  ある時は、レタスの隙間から姿を現し。  どんな風にやっても……  どんか事をやっても……  何度やっても、女の子は悲鳴をあげて逃げて行きます。   現れ方が悪いのかな?   努力が足りないからかな?  そう思い、何度も何度も挑戦しました。  だけど、その度に失敗しました。  ある日、イモムシは動かなくなりました。  どうすれば、あの子に振り向いてもらえるのだろう……  イモムシは、考えて考えて考えて動かなくなりました。  すると1匹の美しい蝶がイモムシの近くに飛んで来ました。 「どうすれば、君みたいに美しくなれるの?」  蝶はイモムシの質問に答えました。 「大人になれば、綺麗になれるよ」     
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!