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モンシロチョウとなったイモムシは、あの女の子に会うために必死で空を飛びました。
でも、あの女の子は見つかりません。
モンシロチョウは、それでも女の子を捜しました。
次の日も次の日も次の日も。
その女の子と遊ぶ夢を見ながら……
毎日毎日探したけど見つかりません。
やがてモンシロチョウは動けなくなりました。
体を小さくして、モンシロチョウは涙を流しました。
「どうして会えないんだろう?
ボク、頑張って蝶になったんだよ」
モンシロチョウは眠くなり、ゆっくりと羽を落として目を閉じました。
「あー。かわいそう!」
その声と共に、モンシロチョウの体は、ゆっくりと浮きました。
モンシロチョウは眠い目を頑張って開けました。
するとそこには、会いたかったあの女の子が居ました。
女の子は、じっとモンシロチョウの事を見ていました。
「あ……会いたかったよ。」
モンシロチョウは、そう思いましたが眠くて眠くて仕方ありませんでした。
動けなくなりピクピクと体を震わせるモンシロチョウの姿を見て女の子は泣いてしまいました。
涙がモンシロチョウの額に毀れました。
その涙の味は、甘くとても切ない感じがしました。
イモムシの時、「キモチワルイ」と泣かれた時とは違った感じがしました。
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