【羊を数えて眠ろう】

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 あの少女型アンドロイドがこのまま我が家に住み着くことはもう決定なのだろう、今さらそこに異を唱えたところで、夫の、引いては学者擬きの科学者連中の頑固さは充分にわかっている、嫌だと言っても受け入れてはもらえない違いない。  けどそれならそれで、サリナも気持ちよくあの少女型アンドロイドと暮らしていくためにも、これだけは改善して欲しいということを二つ、挙げた。 「あの子の食事───見た目をもっと、私達と同じ形体のものにして。あんなキュービック一型じゃなく……出来るなら私が作ったものを食べてくれたら一緒に暮らしている感じがもっと出ていいと思うけど、それが無理でもせめて私が準備してあの子にご飯をあげているんだって思えるようにして欲しいんだけど。それと」 「寝る時もスイッチを切る形じゃなく、スリープ機能のようなものにした方がいいってとこかな?」 「分かってたなら最初からそうしてきてちょうだい」 「いや、それは今、きみの話を聞いていて思い付いただけだよ。なるほどね。週明け、そう報告書と共に新たな企画書を提出するよ。それで、明日の休みなんだけど」 *    *    *    *    *
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