2人が本棚に入れています
本棚に追加
それは。
積み重ね。
今まで生きて来て。
大切に重なり合った。
『 想 い 出 』の結晶。
良い事ばかりじゃない。
悲しい事だってある。
薄れていく想い出だってある。
で
も
だから良い。
誰一人として同じモノが無い、
大切な塊(かたまり)なのだから。
機械の体なら、全部鮮明なのだろう。
この想い出と言うモノは。
嫌な想い出を消す事だった出来る。
それと比べると生身の想い出は色々不便だ。
でも。
それが生きるって事なんだな。
生身の体だから得る事が出来る。
『 生 き て い る っ て 感 覚 』。
俺の『股間のソレ』は、
もう勃たないだろう。
でも、今まで発射してきた事は、
その一つ一つが輝いていて。
その一つ一つが誇らしい。
そして、今。
股間のソレの想い出は。
暖かな温もりとなって、
俺と一つになったのだな。
だ
か
ら
俺
は
こ
う
思
っ
た
さようなら。
俺の青春。
俺はまた一つジジイなったけど。
アンタと過ごした青春は。
すんごく楽しかったぜ。
ありがとな。
・
・
・
・
・
俺は目を覚ました。
マッパの下半身の股間のソレは、
大人しくもピクリともしなかった。
だがそれで良かった。
コイツとは…。
長い間、楽しい思いをしてきた。
もしも、生まれ変わりと言うモノがあるなら。
俺はまた、男で生まれたい。
そして、また。
『股間のソレ』を弄る生活を送れれば良いな。
俺は深く、そう思うのだった。
ーーーーーー
俺は勃起不全……。
…… 完 ッ 。
最初のコメントを投稿しよう!