俺は勃起不全

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それは。 積み重ね。 今まで生きて来て。 大切に重なり合った。 『 想 い 出 』の結晶。 良い事ばかりじゃない。 悲しい事だってある。 薄れていく想い出だってある。  で  も だから良い。 誰一人として同じモノが無い、 大切な塊(かたまり)なのだから。 機械の体なら、全部鮮明なのだろう。 この想い出と言うモノは。 嫌な想い出を消す事だった出来る。 それと比べると生身の想い出は色々不便だ。 でも。 それが生きるって事なんだな。 生身の体だから得る事が出来る。 『 生 き て い る っ て 感 覚 』。 俺の『股間のソレ』は、 もう勃たないだろう。 でも、今まで発射してきた事は、 その一つ一つが輝いていて。 その一つ一つが誇らしい。 そして、今。 股間のソレの想い出は。 暖かな温もりとなって、 俺と一つになったのだな。  だ  か  ら  俺  は  こ  う  思  っ  た さようなら。 俺の青春。 俺はまた一つジジイなったけど。 アンタと過ごした青春は。 すんごく楽しかったぜ。 ありがとな。  ・  ・  ・  ・  ・ 俺は目を覚ました。 マッパの下半身の股間のソレは、 大人しくもピクリともしなかった。 だがそれで良かった。 コイツとは…。 長い間、楽しい思いをしてきた。 もしも、生まれ変わりと言うモノがあるなら。 俺はまた、男で生まれたい。 そして、また。 『股間のソレ』を弄る生活を送れれば良いな。 俺は深く、そう思うのだった。 ーーーーーー  俺は勃起不全……。    …… 完 ッ 。
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