1.再会の価値は

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1.再会の価値は

 フリーズしている僕を見て、黒井さんはきょとんとしている。   「あの、どうしたんですか?」 「あ、ごめんね黒井さん。久しぶり」 「え……っと、柿崎くん!? 奇遇ですね」  少しの間があって、懐かしいソプラノの綺麗な声で返事があった。やっぱり黒井さんは素敵だ。 「本当に、そうですね、告白したとき以来ですね」  また間があって 「ええ、それ以来ですね……」  心は弾んで今にもスキップをしそうな勢いだ。しかし、今の黒井さんに彼氏はいるのだろうか?  そうだ、思い切って聞いてみよう。と、思ったのだが、 「それでは、また」 「あ、はい」  彼女は笑顔を浮かべて部屋を離れてしまった。残念。  その時、カラスのような黒い鳥が彼女の部屋に入っていったのだが、さして気にはならなかった。
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