海の歌姫

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「夏~~~~!!」 夏といえば海! 今日は晴れ! 入道雲がもくもくと出来上がっている。 うーん。夕方は雷注意って天気予報でやってたっけ……。 夏休みが始まって3日が立った今日、私は家を出れば歩いて10分足らずで着く海に来ていた。 ちなみに1人である……。 高校最後の夏。 なのに、私が受けようと思っている大学の受験日はすぐそこに迫っている。 けれども何事も休憩が必要だと思うのだよね! サボっているわけじゃないよ? ただの休憩だから! ……誰に言い訳してるんでしょうね、私は。 今私がいる浜辺には人っ子ひとりいない。 お昼の1時。 丁度お昼真っただ中なわけで、暑さも半端ない。 「それに、ここは海水浴場じゃあないしな~……」 私は、よくここに散歩しに来るが、誰かと会うことなんてほとんどない。 泳ぐ人もいないし、散歩する人もめったに見ない。 なのにゴミだけは立派に捨ててある。 花火や海から流れ着いてきた枝や海藻。空き瓶やペットボトル。 「ゴミ箱あるんだからゴミ箱に捨ててほしいよね、まったく」 そんなことをぼやきながら、私は砂浜を眺める。 気分転換に掃除するかな……。 私は短パンの後ろポケットにいつも入っている手袋を出して、装着する。 反対側のポケットからは、小さな三角形にたたまれたスーパーのビニール袋を出す。
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