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薄いピンクのキャミソールとデニム生地の短パンから出ている、日焼け止めの塗られていない腕と足を、太陽は容赦なく照り付ける。
「あっつい~」
私は首の後ろでゴムにつられていた麦わら帽子をかぶる。
額にジワリと掻いた汗を腕で拭う。
「これはキャミソールと短パンの跡が残りそうだな~」
ジリジリと肌を焼く太陽が、雲に隠れた。
今のうちに、と私はゴミを集めるスピードを速めた。
私が集めているのは空き瓶。
ガラスが割れたりしたら危ないから。
それにあとで空き瓶のゴミ箱に入れるのに、他のゴミが混ざっちゃいけないから無差別に拾っていくわけにもいかない。
「うあ~! 太陽! もうちょっと隠れてて~!」
雲から顔を出した太陽を睨むが、風に流された雲が戻ってくるはずもなく、私は大人しく太陽に焼かれる。
私は歌を歌いながらひたすら空き瓶を拾い集める。
「やぁ、お嬢さん。歌がお上手だね」
1曲歌い終えた頃、突然背後から声が掛けられた。
私はあわてて振り返る。
そこにはまだ10代だろう、けれど私より年上な感じの男の人が微笑んで立っていた。
私はお嬢さんと呼ばれたことと、歌を聞かれていたことを思い出し、一瞬で顔に熱が集中する。
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