タコ太郎

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村の少年アッキーは、鬼退治に出掛けた。 平和を脅かす鬼たちに情けなど不要。完膚なきまで叩き潰すと心に誓う。しかし、一人では戦力面に不安が残る。 「仲間が欲しいな。でも、人を雇う金なんて無いし、あるのはキビダンゴだけ……そうだ!」 人間はダメでも、動物なら仲間になってくれるはず。そう考えたアッキーは、犬や猿など手頃な動物を探した。しかし、見つかったのは行き倒れていたタコだけだ。 「タコか……仲間にするかどうかは別として、水を与えてやろう」 「ありがとうございます、生き返りました。塩水じゃないのが不満ですが、まあまあ美味しい水でしたよ」 言い回しがイラっとする。 「えっ、仲間になって欲しいのですか?」 まだ、何も言ってない。 「分かりました。その袋の中に入っている、イカリングをくれるのならば仲間になりましょう」 イカリングなど入っていない。そんなものを入れてたら油でベトベトになってしまう。 「袋の中身はキビダンゴだよ」 「知ってますよ。ちょっと言ってみただけです。アハハハハ……」 鬼に対して以上に、タコへの殺意が芽生えた。 「タコが仲間に加わった」 自分で言うな。 そもそも、仲間にするとは言ってない。 「さあ、竜宮城へ行きましょう」 それは違う話だ。 …… …… その後もタコに振り回され、色々とやる気が無くなる。 アッキーは鬼退治を諦めて家に帰った。 【めでたし めでたし】
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