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村の青年アッキーは、釣り竿を持って海辺に出掛けた。
すると、タコが子供たちにイジメられている。嫌な予感しかしない。早々に立ち去ろう。
「助けて~」
聞こえない。
「助けて~。助けて~」
何も聞こえない。
「アッキー、助けて~」
なぜ私の名前を知っている!?
仕方が無いので、子供たちからタコを百円で買い取る。
「ありがとうございます。さあ、鬼ヶ島へ行きましょう」
それは前回の話だ。
「しかし、良かったですね。私は五十円の価値があります。丸儲けですよ」
五十円の赤字だ。いや、このタコに五十円の価値があるかどうかも怪しい。
「えっ、竜宮城へ行きたい? 仕方が無いですね。前金で五十万頂きます」
ぼったくりだ。
「タイやヒラメの舞い踊りはありませんが、更やんと束やんが鞭を振るってお待ちしてますよ」
いい加減にしないと怒られるぞ。
「忘れてました、玉手箱ですよね」
黒い重箱のような物を渡された。
「はい、開けますね」
やめろ! おじいさんになってしまうじゃないか!
……
……
玉手箱の中にはメッセージカードが入っている。
『HAPPY BIRTHDAY!』
……
……
終わり良ければ全て良し……と言う訳では無いが、少しだけ目頭が熱くなった。
【HAPPY BIRTHDAY】
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