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「んでさ、自分で修理する理由って他にもあるんじゃない?」
「まあな、安形の野郎に整備を任せると、変な改造しやがるからな。昔、カッサードの両膝にドリル付けられた」
同級生の安形は、整備の腕は確かだが、相当なマッドエンジニアである。椅子にまたがる龍子はへらへら笑って言う。
「みつきの友達って変わってるよねぇ」
「お前が言うか?」
「え、わたし、友達でいいの」
「少なくとも俺はそう思ってるけど」
俺は整備に立ち戻って、レーザーカッターを分解し始めた。レーザーカッターは拳銃を元にして作られている工具だ。装填したカードリッジから切断レーザーを発射することができる。女王の政策のおかげで、拳銃のほとんどは、こういう工具に改造されてしまっていた。このレーザーカッターも、元はコルトパイソンと呼ばれるリボルバー拳銃だ。整備作業が終わるまで龍子は黙ってじっと見つめていた。
「ねっしんだね」
「俺の自慢の愛機だからな。壊させやしねえよ」
「わたしはいやな予感がする」
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