第四章

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 そうすれば、軌道エレベーターの支配権は女王へ戻り、テュランノスは閉じ込められる。  ただ、ひとつ問題がある。誰が、あたしたちを島へ上陸させるかだ。バトロイドを運ぶ輸送船を動かすにはライカが要る。US-2は前線に持ってこれる飛行機ではない。となると、上陸用短艇ぐらいしか、敵前上陸する方法が無いという。  でも龍子もあたしも、ボートの操縦は不可能だ。それは専門家の力を借りなくちゃならない。  で、女王が引っ張ってきた専門家はと言うと。  あたしは、遠慮しがちに彼(彼女?)へ右手を差し出した。 「あー、よろしく。クロちゃん」 「だからやめろと言うに!」  あたしを何度も襲撃してきたバトロイド、『サイクロン』 それは捕虜にされた結果、あたしたちを島まで輸送するハメに陥っていた。女王がこいつを確保したわけがやっとわかる。今の機械軍だらけの世界で、戦闘艇を駆れるのは、反乱同盟軍の兵士だけだった。 「かっ、勘違いするな! 我々は女王に寝返ったわけではなく、女王よりも凶悪なテュランノスを撃ち滅ぼさんがために、妥協していることをな!」  両肩をいからせて反女王の闘士は、敵対モードガンガンで叫んでくる。反乱同盟軍はテュランノスを敵とみなし、一時的に女王に協力するようだった。     
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