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そこで、俺とカッサードの意識接続が、切れた。
暗い。
目が覚めても、意識は霞んでいた。ソウルサーキットに、十分な電力が回っていない。このままだと、俺は救いを待ちながら電力が切れるのを待つしかない。
一体何が起こったっていうんだ? ラームが突然俺を、それで……だめだ、考えられない。意識が消えてゆく。龍子、ソ連ロボットが俺をふきとばして……もういしきがき、えて、なにも、わから……
最期の寸前だった。カッサードの頬に、柔らかい何かが触れた。
束の間のラグを置いて、カッサードの電源は回復し始める。五感が蘇えり、ビジョンモニターに景色が映る。
まず、目の前にあったのは、俺をのぞき込む女王陛下の顔だった。真っ赤に染まったその頬と、唇から洩れる安堵の吐息。
「あ、あんた今、俺の頬に何を」
「言わないし、言わないで」
女王は口に手を当てて言う。……機械にも、恥ずかしさがあるのだろうかね。
時刻を確かめた俺は、ソウルサーキットの中で悪態をついた。ちくしょう、一時間も気絶してたのか。龍子はどうなった? はやく助けないと。いや、それよりも……まずは現状の把握だな。俺は女王に問いかけた。
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