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光希の肉体を背負った龍子は、入り江を離れた山道を走り続けていた。
その後ろからは、追手と化したガードロボットが迫りくる。四輪タイヤと四本の腕をもつそれは龍子の足よりもよっぽど速い。
「こないで!」
龍子はありったけの幻影を放ったらしい。ガードロボは幻影に惑わされ同士討ちを始めた。その間にも、次から次へとガードロボは殺到し、龍子から逃げ場を無くしてゆく。
「みつきの身体は守るって、約束したんだから!」
幻影投射の力でも、ガードロボどものロボ海戦術を食い止めるに、限界があった。とうとうガードロボの雪崩が、龍子に降りかかる。
その瞬間。寸でのところであたしの跳び蹴りが、ガードロボ軍団を刎ね飛ばした。
「女王親衛官ミツキ。およびとあらば即参上ッ!」
あたしは風を巻き上げて、龍子のそばに着地した。
「しつこい男は嫌われっぞ!」
残りのガードロボにスプリングワイヤーを叩き付け、なぎ倒す。こけたガードロボが絡み合って立てないうちに、あたしは龍子を抱き上げて、再び空へと飛びあがった。
入り江を超えた木陰で、龍子を降ろした。不安に身体をこわばらせる龍子へ、あたしはぎこちなく笑った。
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