29人が本棚に入れています
本棚に追加
「危ないよそれは! 腰部の電源をショートさせて、AIを破壊するほうがずっと易しいよ」
「こいつを殺すことなく止めるって、さっき約束したんでね。あたしを信じてくれ」
「ミツキになにかあったらわたし」
「ノープロブレム。あとさ、あたしの身体を守ってくれてありがとう、愛してるぜ!」
と、言い残してあたしは回線を切った。よし、これで準備終わり!
「さあて、ひと暴れと行くか! ライカちゃんよ!」
両足に全出力をかけて、ミツキはラームよりも空高く飛び上がった。三本の腕があたしを捉えようと伸びてくる。
「はいだらあああああああああああああああああああああああああああああああ!」
空中で上体を捻り、一本目をなんとか避ける。ミツキの姿と太陽が重なりあう。
たとえ最新のセンサーでも、光り輝く太陽を背にしたミツキは、センサーが眩んで捉えられない。一本目さえ避ければあとは安全だ。二本目の腕にスプリングワイヤーを引っかけて、ミツキはラームへ取りついた。着陸地点は、女王と初めて会った非常通路だった。
思い出に浸っている暇はない。ラームのハッチから、次々にあのガードロボが湧き出てきやがった。
最初のコメントを投稿しよう!