生死は常に隣り合わせ

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長い間、この下で暮らしていたのでここもどうやら変わってしまったようだ。木が何本か減っている。土の中から鼻に髭の生えた何かがこちらを向いている。そしてそのまま土の中へと消えてしまった。私は土から体を出す。暗くて触って確認していたが、立派な手足が私の胴体から伸びている。それらを動かして木へと向かう。 一歩……。 また一歩……。 木へと辿り着いた私は木へと登る。何度も転落する。体がこんなに重いのだということにこの時、気付かされざるを得なかった。 疲れ切った体を木にしがみついていると、上から二匹の黒い影が目の当たりにする。 「腹が減ったな?」 「人間の落としたゴミ、あれ、今日取れるんやないっすか?」 「あぁ、そうだな。逃げなくてすぐに食えるあれは最高だべな。行くぞ」 その二匹はそのままカー、カーという高い声を散らし鳴いては遠い空へと飛んで行った。 日が暮れる頃、私の近くには私と同じように待つ仲間たちが待機していた。 そして時は突然来た。 私の背中から何かが離れていくのが感じた。その羽が体とぶつからない程度に上下に震えた。そして私は木から離れ、今までにない感覚に襲われた。これが「飛ぶ」という行為らしい、と脳内が教えてきた。どうやら、脳内の教えは先代の教えである、と言うべきか。 私は先ほどいた場所に戻った。 「お前やるじゃねえか。おめでとうさんよ。あっ、俺ってこんな声で鳴くんだ。お前も鳴いてみろよ。恋がしてぇだろ?」     
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