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何日かは、気味悪く感じていたのですが、部活と勉強に追われるうち、僕もあの夜のことは夢でも見たぐらいに思うようになっていました。
次第に、思い出すこともなくなりました。
ところが。
そんな或る日のこと。
学校から帰ると、家の塀が一部倒れていました。
「ブロックを積んだだけ、みたいなものだからな。弱くなっていたんだろう」
「通学時間帯じゃなくてよかったね」
と、父母は言いましたが、僕は、あの夜のことを思い出して、震えが止まりませんでした。
その、塀が倒れた場所というのは、あの夜、こちらを向いていた女性が立っていた場所だったからです。その日は、あの夜から丁度半年後だったからです。
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