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その姿を見守る2つの影。
蒼龍と紅龍だった。
龍王の暖かな気持ちが離れたこの場所からでも伝わってくる。
「よかった。」
「無事に見つけたんだな。」
ニ人とも本当に嬉しそうに笑った。
「これからのスーの成長が楽しみだね。」
「ああ、龍王だけにいい思いはさせないさ。」
スーの未来に自分たちも一緒に時間を重ねていく覚悟のニ人。
全く諦めるつもりはないようだ。
「まあ、今だけは見守るよ。」
「そうだな。」
じっと翡翠に目を離す事なく、話し続ける2人。
同じく回り始めた、時間の流れ。
龍族となった翡翠にも、ゆっくりとした刻を刻んでいく。
龍王の無意味な時間が価値ある大事な時間へと変わる。
龍として転生した翡翠。
これで同じ刻を生きる事が出来る。
孤独だった時間が暖かな優しい時間へと変わる。
翡翠の存在がそうさせてくれる。
かけがえない存在。
変わらない想い。
刻をも超えた強い想い。
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