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ある日宮殿に一人の巫女が連れて来られた。
巫女の顔合わせという事で何も知らず、人間界から連れて来られた少女。
しばらくの間、宮殿で暮らす事になった。
前にも何人もの巫女という人間が連れて来られていた。
・・・またか・・・
前王の側近たちも今の地位に固執していた。
強い遺伝子を持つ私の子の後継人。
父が亡くなった後を見越しての行動だった。
どうやっても、そいつらは早く子供が欲しいらしい。
私の龍王として血を持った、次の龍王の誕生がお望みらしい。
私は本当にこいつらの人形だな。
人間を蔑みの目で見ていた取り巻きたち。
その少女にも、いつものように酷い態度で扱った。
それは寒い日の事だった。
私は何気なく窓の外を見た。
空からチラチラと降り始めた物。
雪か・・・。
外の風景はすでに、白一色に染まり始めていた。
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