1・龍王と翡翠

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スーはあれ以来よく笑うようになった。 相変わらずあいつらからの嫌がらせは続いていたが、いつも私には笑顔を見せてくれた。 その笑顔を見る度に優しく穏やかな、そして熱い思いが心を占める様になった。 愛おしい。 甘い愛情。 独占欲。 激しい愛欲。 束縛。 あの頃愛らしく、私の側で無邪気に甘えていたスー。 あの頃は本当に子供だった。 私の大人の欲望など、白い純粋なままの彼女の前では全て浄化された。 曇りのない笑顔で笑ってくれていた。 くるくる変わる表情が私の心をとらえて離さなかった。 彼女の成長した姿はさぞ美しく光輝き、周りの人を惹きつける事だろう。 感情の起伏をほとんど表に現さない龍族。 私の中に初めて・・・愛しい・・・という感情がある事を彼女は教えてくれた。 人間の様な温かい感情。 ずっと見ていたい。 いや、ずっと側におきたい。 龍王の巫女という絆に、繋がりに、未来をも含んだ束縛に私は感謝していた。 誰にも渡さない。 今も未来も、彼女とともに、ありのままでいたい。 そう望んだ日々。 親子でも友達でも恋人でもない関係。 そんな曖昧な甘い、そして信頼で繋げられた関係。 いつか彼女が大人になって、私を受け入れる日を待つ時間。 とても優しく、切なく、大切な時間。
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