想定外の悪戯……?

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想定外の悪戯……?

 翌朝。  私はもともとここには一泊のつもりでいたけれど今からでも連泊が出来ないか交渉をしに、フロントへ来ていた。  急な申し出に初めは面食らっていた女将さんだったけれどすぐににこやかに微笑んで頷いてくれた。 「そら、部屋は空いてますきに泊まって下さるんは構いませんけど……」 「ほんとですか!? じゃあすいません。お願いできますか?」  物凄い勢いで、しかも嬉しそうに私が頼み込んだものだから女将さんは一瞬ビックリしたような顔を見せたけれど、おかしそうにクスクスと笑いだした。 「そがに嬉しそうに泊まってくれるなんて、ひょっとしてここが気に入ってくれたがです?」 「え、あ、えっと……そう、ですね」 「ほうですか。そりゃあ嬉しいことです。この辺は何も無いですきに、若い人は皆市内や都会に行ってしもうて、あるんはおじいとおばあばかりでつまらんかと思うたんですけどねぇ」  ニコニコとそれはそれは嬉しそうにしている女将さんを前に、「神社で会った猫又が気になるから」とは言えず、私はそう答えるしかなかった。  何か、嘘ついたみたいになっちゃって、変な罪悪感……。  そう思いながらも、連泊を取りつけた私は民宿を出てすぐ近くの坂道を下り川岸に降りてみた。
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