確かめよう 序

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確かめよう 序

「このまま、ここで話し合っててもラチが開かん」 と、父が言う。 「アレがユウタのドッペルゲンガーか、ハヤタのドッペルゲンガーか、それとも……」 「「あ、父さんのではないよ」」 父はハゲている。 「とにかく、アイツがどっちのドッペルゲンガーか、近くで検証しよう」 と、ユウタ。 「だな。庭に行こう」 と、ハヤタ。 「「……………………」」 しばしの沈黙。 「……ハヤタ、行けよ……」 「……いやいや、ユウタこそ……」 2人とも、いざとなればやっぱり怖い。 そんな2人を見かねて、 「情けないぞッ」 と、父が叫ぶ。 「「どうぞ、どうぞ、どうぞ、どうぞ」」 「え、マジ。またッ?」 その頃、リビングのテーブルには、既に侵入完了したドッペルゲンガーにお茶を出す母の姿があった。
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