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概説ドッペルゲンガー
「ドッペルゲンガーを、ちょっと調べてみたんだ」
スマホを片手にしながら、ユウタは唐突にそう言った。
「どういうことだ?」
ハヤタが言う。
「いや、こいつの正体、ってかドッペルゲンガーってのを、俺はあんまり知らなかったから」
「見たら死ぬっていうもう1人の自分。そういうもんだろ?」
「うん。結構、有名な人も見てるみたいだ。例えば小説家の芥川龍之介。ドッペルゲンガーが現れて、その後、自殺してる」
「そうなのか?」
「まだあるぞ。アメリカ大統領のリンカーンもそうらしい」
「暗殺された人か?」
「そう。リンカーンもドッペルゲンガーに悩まされて、最期は暗殺された」
「……つまり、ドッペルゲンガーを見たら、やっぱり死んじゃうんだな」
ユウタとハヤタは互いに浮かない表情をして、顔を見合わせた。
そこに、
「おっ、お前ら、そうやって向き合ってると、まるでドッペルゲンガーみたいだな」
と、父が言う。
「「……………………」」
父はゲラゲラ笑う。
「「父さん、ホントにドッペルゲンガー見たくない?」」
双子は笑顔で拳を構えていた。
ちなみにドペタは母に勧められるままに、1番風呂に入っているところだった。
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